何かを学ぶ/勉強する・・・といったとき、その方向性としては2つあって、一つは「不知を既知に変えて知識を拡げる」こと、もう一つは「既に持っている知識体系をより深く追求する」という方向性です。
今自分がやっている勉強がどちらの方向の勉強なのか?と、ちょっと確認してみることも大切です。
この両者は性質が異なります。
勉強家と言われる人の多くは後者です。
自分の専門分野、業務に直結する既知の領域を深掘りしていくというのが、中堅サラリーマンの学びの典型例です。
社会人になってから、今まで全く触ったことが無い、経験が無いことを新たに自家薬籠中のものにしようなんて考えるのはほとんど新卒社員くらいです。
新卒社員はまだまっさら(真っ白)な状態ですから、仕事に関係する何かをこれから学んでいく必要がありますが、中堅サラリーマンは今の業務により精通していく必要性のほうが高いと言えます。
ただし、勉強すればするほど既知の領域が深掘りされていくのは良いとしても、その結果、人間としてどんどん枠の狭い専門家になってしまう・・・というのはあまりうまくありません。
バランスが悪くなります。
了見の狭い人間になると、頑固者になり、頑固者になると見える世界が狭くなって周囲と軋轢を生みやすくなります。
中堅サラリーマンと雖(いえど)も、学びのある一定量は新規性のあるモノに向けたほうがベターです。
深掘りをして自己をオタク化するのも良いですが、それと同時に不知・未知の領域を開拓するのも重要だということです。
カチカチになっていた思考軸に新たな潤滑油を与えてくれて発想が柔軟になったりします。
来年あたり、そろそろそうした意識をもって何かに取り組んでみる/挑戦してみる・・・というのは良いことだと思います。