株式でも不動産でも絵画でも何でもそうですが、何かを売却したいとき、自分のほうに時間の制約(いついつまでに現金化しなければいけないとか)があったり危機感があったりすると、どうしても自分が希望する売値というよりは相手側が望む希望買い付け価格に引っ張られてしまいます。
スーパーやコンビニの弁当・総菜売り場で、日中に正価(定価)で販売されているところへお客が「まけてよ~」と言っても拒否されますが、閉店が近づいてきたり作られてから時間が経ってくると今度はお店側が早く売り切りたいので勝手に20%引きとか半額といったように値下げしてくれます。
売買・販売というのはそういうものです。
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サラリーマンの転職活動は、見方を変えて言えば「サラリーマンという自分商品の売却活動」です。
少しでも自分を高く売りたければ、自分のほうに制約がないときに売却活動をすることがコツです。
どういうことか?
転職活動を、転職が必要になった時にやおら始めるから良い案件に出会うことが難しくなります。
普段(=転職活動が必要ではないとき)からリクルート活動のドアを開けておき、もしもそこで良い案件が訪れてきたなら一つのチャンスとばかりに転職をすべきかどうかを考えるのが良い転職のやり方です。
今の会社がイヤになった、リストラされた、もっと高い収入が欲しい・・・などといった自分側の制約の元で転職をしたいと考えると、それはつまり「私には新しい仕事が必要なんです、仕事をください」という姿勢になってしまいます。
これでは強気に攻められません。
これが、普段の全然何でもないとき/転職のことなんて何も考えていないときにたまたま良い案件が舞い込んできたとなれば強気にいけるハズです。
もし、失敗しても別に痛くありません。
こうした気分の違いが転職における天国と地獄を分けると言えます。
平常心で、かつ強気で臨んでいるときほど、相手は魅力あるオファーを出してきたりするものです。
今すぐ転職しようとは思っていないので、こちらの条件を全部満たしてくれなければ話に応じません・・・という態度がとれるわけです。
自分にとって有利に売却するにはつくづく「心のゆとり」がやはり大切だなあ・・・と思います。