
人が他者に何かを教えたり何かを伝えたりする必要があるのは、主に両者に情報の差があってそれを埋めるためです。
そうしたときの伝え方には、
1.相手の視座に合わせて伝えるやり方
2.自分の視座から見えるとおりに伝えるやり方
の2つがあります。
情報の差を埋めるためには、
1.高いほうが低いほうに合わせる
2.低いほうを高いほうに引き上げる
の2つの方法があるわけです。
例えば、大人が中学生に会社組織の話をするとき、「中学校には生徒会があるでしょ。生徒会には生徒会長がいて副会長や書記がいて、月例会が開かれているでしょ?」・・・と中学生の身近な話で伝えるのが、「1」のパターンです。
これに対して、「会社には社長がいて取締役がいて、毎月その人たちが会議を行なう取締役会というものがあってね・・・」と、大人の世界のことをそのまま中学生に伝えるのが「2」のパターンです。
「相手に合わせる伝え方」は、身近でイメージしやすい反面、本質をつかみにくかったりします。
一方、「そのままに伝えるやり方」は、リアルに伝えられる反面、相手の力量を半ば無視しているので相手は理解しにくかったりします。
言えるのは、伝えたいことが相手になかなか伝わらない・・・とか、人に教えるのがヘタだ・・・という人は、その2つを上手に使い分けられない人が多いということです。
自分勝手だったり、相手の力量を推し量れない人は1も2もうまくできません。
逆に言うと、それらをうまく使い分けたり組み合わせて相手にわかりやすく伝えられる人というのはコミュニケーション力が高い人で優秀な人です。
リーダーはこうしたスキルを身につけることが必須だと理解することが賢明だと思います。