
4月1日に入社した新人が、その2~3日後には早くも退職届を出す・・・ということが先月初旬のニュースで報じられていました。
しかも、自分で直接出すのではなく代行会社を通して出す・・・と。
やはり時代は変わっているんだな・・・と感じます。
・・・・・・・・・・・・
昭和の時代、日本企業は「終身雇用」と「年功序列」という雇用慣行を基盤にしていました。
しかし、平成に入ると、バブル崩壊や経済の停滞によって企業はコスト削減を余儀なくされ、社員の解雇や正社員以外の雇用(派遣社員の活用など)が進みました。
終身雇用制度の見直しや非正規労働者の増加が活発になったわけです。
平成後半~令和に入ると、少子化と高齢化の影響力が強まって労働力の供給が減少する傾向が顕著になりました。
さらにコロナ禍の影響も加わってリモートワークやフリーランスといった新しい働き方が一般化しました。
いつの時代もまったく同じ働き方・雇用制度というわけではなく、時代環境によって働き方は変化し続けています。
経営者が今後の未来を見誤ると、会社は生き残っていけなくなります。
→ 今後経営者は2つの前提を変えていくことが大事です。
1.人を雇えないことを前提にした経営
これからは、ますます人が雇いずらくなるという認識をもって経営に臨む姿勢が必要です。
毎年当たり前のように人を雇うことを前提にして募集・採用活動を行なっていますが、これからの世の中を考えると、雇えるかどうかの担保力は弱まっていくと思ったほうがベターです。
人を雇うことが前提ではなく、「人が雇えないことを前提にした経営が必要になってくる」と理解しておくほうが良い・・・ということです。
雇いたいときに雇えないと、人手不足倒産になりかねません。
仕事もあり、利益も出ているのに、人がいないから仕事を受けることができず、赤字に陥って倒産・・・というのは実にもったいない話です。
2.人が辞めることを前提にした経営
今までは「せっかくコストも時間もかけて選考・採用したし、経験も積んでもらいたいし、戦力として育て上げていかに社員を辞めさせないか?」と考えるのが自然でした。
これは間違っているとは思いません。
しかし、残念ながらこれからは、「人が辞めることを前提にした経営」に舵取りをしたほうがベターかもしれません。
その会社がイヤだとか不満があるとかではなく、自分のキャリアアップを求めて転職していくのが普通の世の中です。
良くも悪くもアメリカ的な思考回路を持つ人が増えて転職が普通の世の中になってきました。
人で仕事を動かすのではなく、仕組みで仕事を動かす工夫をして、いつ人が入れ替わってもいいようにする構造改革がより重要になります。
「人が雇えないことを前提にした経営」と「人が辞めることを前提にした経営」の意識を持つことがこれからの経営者には求められるような気がします。