会社は一人でも成立しますが、企業は一人では成立しない概念のものです。
企業には利潤の追求の他に、企業理念の追求があってそれに賛同した人が当初の創業時に集まって会社の発展に向けて共に働きます。
やがて、事業が軌道に乗ってある程度順調に成長してくると、経営陣の視点は「数字」を重点的に見るように移っていきます。
世の中の環境は日々変化していますから、数字ばかりに囚われ過ぎていると、経営と環境がかみ合わなくなり始め、業績が下降していくおそれが生じます。
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企業が窮地に陥るのは、基本的には資金繰りが悪化したときです。 なんだかんだと言っても、お金がまわっているうちは何とかなりますが、お金がまわらなくなったら、本当にヤバイわけです。
経営がヤバくなってくると、再生のために余剰な人や設備の削減をあれこれ画策します。
もちろん、金銭的止血をすることは大切です。ただ、「企業は人なり」ということを忘れてはいけないと思います(会社は人なり、ではないということです)。
業績が悪化した企業を再生させるためには創業の精神を取り戻しつつ、すでに変化してしまった外部環境に対応する企業へ軌道を修正することが大事です。
そのときに、人(社員)の扱い方が重要となってきます。
社員が良ければ事業も良くなりますし、社員が悪ければ、どんなにいい商品を扱っていても企業は伸びません。
再生には時間をあまりかけずに、かなりの急展開で物事を進めていく必要があります。そのときに、しっかりついてこれる社員が良い社員です。往々にして若い社員です。
単なるモチベーションとか合理的な仕組みなどではなくて、若い社員がプライドを持って働くことのできる企業に経営陣が戻すことが大切です。
人生に失敗はなく、思い通りにいかないことがあるだけです。企業の再生では、年配社員よりも若年社員のほうが機動力があるだけに強い戦力になると思います。
もっと言えば、別に再生に限らず普段の事業活動においても、若い社員たちがのびのびと活躍できる環境を用意してあげることが重要なことだと思います。