私が現役時代の業務で会社を上場させた頃、東京証券取引所が求めていた業績開示は「年2回」でした。
中間決算と本決算です。
それがやがて2008年からは「年4回」となり、いわゆる「四半期報告書」が求められるようになりました。
それからたった約16年後の今年、ついにその「四半期報告書」は廃止となり、再び「年2回」の業績開示でよくなりました。
経済は生き物・・・ですね。
四半期開示が求められた背景には「投資家保護」という名目があり、直近の業績を速やかに知らしめないと投資家が不測の損失を被る・・・という考え方がありました。
そして、それが廃止された今の背景には「会社側の業務負荷の軽減」というのがあると思われます。
制度やルールは時代によって変わるものですが、要は誰に(どこに)重点を置いて制度化するか・・・ということだと言えます。
四半期制度が制定されたときは「投資家」に重点を置き、それが廃止された今は「経営者」に重点を置いているということでしょうね。
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上場会社は半期ごと四半期ごとに関係なく、会社内では常に毎月ごとに業績をまとめ上げています。
会社・部門によっては「週単位」でおおまかにまとめているところもあると思います。
それらは、とどのつまりは「1年決算」の着地をスムーズにさせるため・・・計画とズレているなら早めに修正するため・・・先々で苦労をしなくて済むように早めに手を打つため・・・です。
「1年計画の実現」という中期目線で見たときの「手段として短期業績の確認」があります。
ここを見誤って、手段と目的を入れ変えてしまうと単に「短期業績の達成」となり短期志向を助長させることにつながります。
経営では短期目線(短期志向)ではいけません。
経営では中長期目線(長期志向)が大切です。
リーダーは短期的な外部環境の変化に左右されることなく、取るべき対策を粛々と進めていく姿勢が必要です。
3年先・・・5年先・・・10年先を見据えながら、今という短期の業務・事業に取り組む、ということです。
長期視点に立って将来の姿を描きつつ、今の姿を整える・・・というわけです。
プライベートにおいても同様で、短期志向/短期思考は捨てて中長期志向/中長期思考で物事を考え、そのうえで「今」という短期での行動計画や実践を大切にすることが大事です。
そんな経営姿勢が昔も今も求められていると思います。