
1800年代のイギリス首相ベンジャミン・ディズレーリの言葉に
「I am prepared for the worst, but hope for the best.(私は最悪の事態に備え、最良の事態を期待する)」
というのがあります。
リスク管理を適切に行ないつつも、そのリスクが発生しないことを願う・・・といった感じです。
もっと言えば、この順番を逆にして「最良の事態を期待しつつも私は最悪の事態に備える」という発想のほうがベターだと思います。
ビジネスでもプライベートでもとても大事な姿勢だと思います。
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「蛍光灯2027年問題」というのがあります。
過日、所有不動産の賃貸管理を任せている会社の担当者から「2027年末にすべての蛍光灯の製造・輸出入が禁止されるので、マンションの蛍光灯をすべてLED化する必要があります。見積をお取りしましょうか?」という連絡がありました。
2027年末ということは今からまだ2年以上もあります。
こんなに早くに見積もりを取らなくても、その時になってからすれば良いんじゃないの?・・・と内心思いましたが、いつもお世話になっている会社・担当者ですし、私は基本的には「管理会社からの提案はOKする」という方針なので、その件もイエスと答え、後日見積もりをもらいました。
金額は約33万円でした(思っていた以上に高額だった!)。
→ 電球を蛍光灯からLEDに付け替えるだけの話ではなく、機器丸ごとの交換が必要になるので思ったより高額になったようです(古い蛍光灯用の照明器具は内部の回路や安定器がLEDと適合しない場合があるためだそうです)。
法律の施行によってこれまでと違う事情が発生した・・・蛍光灯がいずれ使えなくなる・・・というのはわかりますが、「使えなくなってから交換するのでも問題ないのでは?」と思ってしまうのは、その事象が「重要だけど今すぐの緊急の問題ではない」からです。
「重要で今すぐの緊急の問題」だったら、誰でもすぐに行動します。
「緊急ではない」というところに人の行動にブレーキをかけてしまう要因がありますが、でも、このケースではイザそのときになってLEDライトに交換しようとしても、LEDをはじめとする部材や施工会社の確保が困難になることも考えられます。
LEDの需要が供給を上回ると、価格の高騰や工期の遅れなどが発生して「交換したくてもできない」状況に陥る恐れもあります。
だから、私はすぐに見積もりを取ってそのとおりに交換工事を行ないました。
「最良の事態を期待しつつも最悪の事態に備えた」・・・わけです。
ちなみに工事は完了したので一安心です。
私の中では「20207年蛍光灯問題」は一部解消されました(一部というのは自宅等の交換を済ませていないから)。
「最良の事態を期待しつつも、最悪の事態に備える」という姿勢は大事だと思います。