会社勤めをしていたころ、よく外部から営業をかけられて「ぜひお会いしたい・・・話だけでも聞いてほしい・・・」といったことがありました。
一般的に、ある一定の役職についている人はそうした営業には目もくれず、すべてお断りとか部下に任せている人が多いと思いますが、私は月に1週間だけ「今週は外部からの営業に会ってみてもいい」という週を設け、外の空気を吸う機会を設けていました。
なぜなら、いつもシャットアウトして外部との触れ合いをゼロにしていたら、朽ちて腐っていく組織になりかねないからです。
さて、そうしたときある時期だけ突出して「ソリューション」という言い方をする人が多い時期がありました。
なぜだかはよくわかりませんが、おそらくそのころにどこかでその言葉が取り上げられて、みんな使うようになっていたんだと思います。
ここで大事なのは、使うのはいいのですが「言葉の意味・定義をはっきりさせる」ということです。
試しにあるとき聞いてみました。
「ところで、この 『ソリューション』って何ですか?」・・・と。
ほぼ100%の割合で、明確に答えられた人はいなかったですね。
「解決という意味です」・・・とまでは答えられた人はいましたが、「普通の解決とはどう違うのですか?」と聞くと、もうお手上げです。
ビジネスでは、いたづらにカタカナ言葉を多用して相手を煙(けむ)に巻くようなやり方はうまくないと思います。
むしろ、難しいことを易しい言葉に換えてよりわかりやすく説明することが大事です。
カタカナ言葉を使えばパンフレットはカッコいいのですが、本質を的確についてくれなければ宝の持ち腐れです。
ちなみに、私の考えるソリューションはこうです。
「(ソリューションはもともと溶解という意味なので・・・)ある問題をいったん全体的に溶かし大元の原因を探求し、そこから根本的な問題解決を図る」ということ。
組織運営でも、日本語であれ外来語であれ、言葉の意味をお互いに共通化したうえで会話を進めることが重要です。
まして営業活動では、対顧客に対して理解できない言葉を連発するような手法はうまくありません。
表面的に何となくカッコつけるより、地に足をつけた営業活動のほうが大切だと思います。