古代ローマでは、橋や水道橋を作るとき、それを設計した者は建設後の足場解体時にそのアーチの下に立つことが掟だったそうです。
自分が設計したアーチが本当に堅牢で崩れないことを命がけで証明する覚悟が求められたのだと思います。
アメリカの軍隊では、ひとたび使用されたパラシュートを再度使用するために元の状態に自分たち自身で組み直すそうです。
テキトー/いい加減に組み直してしまうと、次回そのパラシュートを用いて飛んだ時に大変な事態になる恐れがありますから、みんな真剣に取り組んで決して杜撰(ずさん)な作業はしないそうです。
ある意味「当然!」のことでしょうね。
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東京都の築地市場の豊洲移転問題で地下に空洞があるとか、水が溜まっているとかさまざまな問題が報道されています。
豊洲市場が果たして安全なのかどうか知りませんが、ここで言えるのは、結局「当事者たちの責任の無さ/無自覚・無責任・無覚悟」・・・ということだと思います。
一般企業の会社運営では、経営者は従業員の生活を守る意味でも真剣に経営のかじ取りを行う義務があります。
会社経営を堅実に行っていくためには、かつてローマ時代の橋の下に設計者自らが立ったほどの責任感と覚悟が必要です。
リーダーはもちろんですが、とりわけ役職位のついた社員にはそうした潔さが求められると思います。
自分の仕事の結果・プロセスに対して真摯に取り組んできたと言えるか?
胸を張って自分は責任と覚悟をもって日々業務遂行をしていると言えるか?
自分の命が懸かっているくらいのつもりで真剣に行うことが、多くの人から選ばれたうえで人の上に立って物事を行う人には必須の資質だと思います。