あるとき、関西のある会社で社員が会社のお金を横領するという事件が起こました。
後日、その会社の社長が自分の尊敬している人にその件でつい愚痴をこぼしたとき、こう言われたそうです。
「横領した社員は入社した時から泥棒だったのか? それとも君の会社で働くようになって泥棒になってしまったのか? もし後者だとしたら、君の会社が泥棒をつくったことになるね。すると、君は泥棒製造会社の社長だね」
・・・と。
皮肉を込めて諭されたのだと思います。
もちろん、お金を横領した社員が一番悪いに決まっています。
でも「盗みを働く」という言葉があるように、そこの会社に入社してそのように人生をねじ曲げてしまったのなら、(まあ、多少のこじつけはありますが)そのように働かせてしまった会社の経営者にも非はある・・・ということをその人は言いたかったのでしょうね。
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経営者は(会社内のことは)良いことも悪いこともすべて自分に関係がある、という意識が大切です。
会社内で起こることはすべて自分事!というくらいの覚悟が求められます。
会社のお金を盗む人は心が壊れているのだと思いますが、その「壊れた」のはもしかしたら会社側にも責があるのかもしれません。
リーダーは自分の部下を守ることも大事ですが、この場合の「守る」という意味には「非行に走らせない/犯罪に手を染めるようなバカなマネはさせない」ということも含まれると思います。
他のリーダーの部下であるときは、悪事をしなかったのに、自分の部下になったら悪事に走った・・・・・・ というのでは、やはりリーダーとして気持ちの良い事ではないですね。