資金調達では「貸し手の論理」が優先します。
「借り手」のほうが立場はどうしても弱くなり、勢いどうしても「貸し手」に主導権を握られるようになりがちです。
「この条件で借りるのがイヤだったら、どうぞ他へ行ってくれて結構です」・・・と貸し手側が優位な立場で話を進めることができる・・・といった感じです。
「借り手」側の多くは「お金は必要になったときに借りる」であり、これは一見すると当たり前のことと思われがちですが、実はこれを「当たり前と思わない借り手になること」が大事だと思います。
「必要になったら借りる・・・」という状況である限り、いつまで経っても立場が弱いままです。
そのため、どうしても借りるときは「貸し手の論理」で押し切られてしまいます。
これを「必要がなくても借りる(←もっと言うと必要がないけど借りてあげる)」という発想に切り替えておくと、無理して借りる必要がないので交渉にも余裕が出て、「この条件で貸してくれないなら他で借りるので結構です!」・・・と強気の姿勢に出ることができるようになると思います。
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「お金は必要な時に借りる」・・・だと、言わば「雨傘理論」になってしまいます
(→ 雨が降っているから傘を借りる)。
多くの金融機関では「お金は返済できそうな会社・人に貸したい」・・・という隠れた前提
条件があります。
別名「日傘理論」とも呼ばれます
(→ 雨が降っていないときにも傘を貸したい)。
金融機関は、「お金」を貸すことが商売です。
でも、「キチンと返してくれそうな会社に貸す」と発想、金融機関に「雨傘理論」は必ずしも通用するとは言えません。
そういう意味では、極論を言うと「金融機関に雨傘は一本もない!」・・・と理解するくらいが必要かもしれません。
お金が必要になった時に慌てて金融機関に駆け込んで「お金を貸してください(=雨傘を貸してください)」と頼んでも、貸してくれる確率は低いと知ることが大事です。
金融機関のほうから融資を受けませんか?と言ってきたときは、決してむげに断らず、いっそ借りておく(日傘を借りる)ことが経営では重要になります。
自己資金で間に合っているので、もし資金が必要になったらそのときにはお願いします・・・と断ると、実際「そのとき」がきても借りることは難しいのが実情です。
借り手の雨傘理論で考えしまうのは、財務無策の状態と同じです。
1.金融機関の日傘理論を最大限に利用し、借りられる時には借りておく
2.借入を活用して手元資金を潤沢にしておく
3.金融機関とは継続的で戦略的な関係を構築しておく
・・・といった財務活動が大切です。
財務・・・お金に関しては雨傘理論よりも日傘理論を用いた発想を展開することが肝要になると思います。