コンプライアンス(法令順守)の重要性が声高に言われるようになって久しいですが、それでも未だにいろんな組織内で悪事が暗躍し、それが何かのきっかけで白日の下に晒されニュース報道されることがあります。
いくら「不正をなくそう」と言っても、不正・不祥事はなかなかゼロにはならないものです。
それだけ人の心には悪魔性が宿っていて、良心を保てない人が大勢いるのだと思います。
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社内の不正をなくすために「不正を見つけたらただじゃ済まさないぞ!」といった脅しで縛るやり方がありますが、そんな場合、自ら名乗り出る人なんていません。
「不正を見つける作業」を誰かが行なう必要があり、それはけっこう大変な仕事になります。
そんな後ろ向きの仕事をさせるよりも、社内全体に対して「正直に言えば今回に限り許します」といったように、自ら名乗り出ることを促したほうが得策になる場合もあると思います。
これまでは多少の不正もまかり通ってきたかもしれないけどこれからは違うよ・・・、だから、今回に限って不問に処すから正直に今のうちに白状しなさい~と言って、一種の棚卸的なことをするのもマネジメントでは有効です。
また、不正という所業まではいかなくても、事業運営をしていれば「バッドニュース」が必ず生じてくるものです。
大切なのはそうしたバッドニュースが日陰に隠れてトップ/リーダーに届かなくなることがないように仕組みを講じることです。
言い換えれば「バッドニュース(悪い報告)」ほど真っ先に上にあげるようにする社風を醸成することが大事だ、ということです。
日々の日報や各種レポートなどでも、「最初に書くべきことはバッドニュースとする」・・・といった文化が定着すると、最初はみんなとまどうかもしれませんが、組織運営は徐々に好転していくと思います。
昨日までは当たり前に行なわれていたことでも今日からは明確にダメなんだ・・・と周知され理解が深まる組織構造になっていくと思います。
また、中には自分たちでは不正をしているつもりがなくても、世間から見ればそれは不正と言えたり、法令違反だとみなされることもあるかもしれません。
綺麗ごとかもしれませんが、でも、だからこそ余計に「不正をするな」よりも「不正を隠すな」を徹底し、不祥事や不正を開示する意識を社員に定着させるマネジメントが大事だと
思います。