ビジネスの交渉事で相手を動かすためには次の3つが一般的な手法です。
1.相手に断れないほどの利益を与える(譲歩する)
2.合法的に相手を少し脅す(圧をかける)
3.とにかく相手にお願いする(懇願姿勢を見せる)
結局、ビジネスにおける交渉というのは自分(自社)の要求を一つ叶えるために相手方にも一つの譲歩カードを渡すようなもので、お互いに何かを交換する行為です。
文明国家ではあくまでも「理論的/合法的」に交渉事が行なわれますが、非文明国家では「非論理的/非合法的」に行なわれることもあり、そういう意味では世界には非文明国が数多く存在しています。
自分の常識が相手に通じるのは「文明国家間だけ」の話であり、同じように「文明法人・個人だけ」だと認識しておくことは重要です。
だから、上記3つの手段を用いてこないような相手は「非文明法人・個人」だと解釈するのが良いと思います。
そういう相手とはそもそも交渉をすること自体が間違いだと理解し、早々に引き上げるほうが得策です。
それでも交渉を続けなければいけないときは、とにかく「事案の中身を複数に分解し、絶対に譲歩できないもの」と「譲歩可能なもの」に分けて整理して妥協点を見出すことが肝要です。
ビジネスの交渉事は意外とスンナリ済むものも多いのですが、ときには複雑に絡み合った事案でなかなかほぐすことができなかったり、お互いに感情的になって前へ進めなくなったりすることもあります。
座礁に乗り上げると、その場での解決は難しくなります。
いったん場を離れ、時を待ち、経過する過程で新たな力を身に付けたり新たな情報を入手して再交渉の場を設けるほうがベターです。
交渉は3つの手法でしか解決できず、それ以外の矢を放ってくる相手がいたらもうそれ以上は交渉しない・・・したがって交渉決裂も止む無しとなることも想定しその場合はもっと力をつける努力を覚悟する・・・という意識を頭の隅っこに置いておくと良いと思います。