部下が「今度の試験、絶対受かりますよ」と自信満々に答えるのでその根拠を訊いたら、模擬試験を10回受けて一回合格ゾーンに入りましたから・・・と返答が来たら、ちょっと???となると思います。
10回受けて10回とも合格ゾーンでした・・・ときたなら、大丈夫だろう、と信じられます。
でも、たった1回(=10%)の合格点だと、それはむしろ不合格になる恐れのほうが高いと判断するのが普通です。
「実力」とは自分の一番コンディションが良かった時のことを指すのではなく、むしろ、どんなに悪条件が重なったとしても無事に目的を達せられる力があって初めて「実力」と言えるシロモノです。
たとえば、サッカー選手で練習のときはPKを外すことなんてほとんど無かったとしても、イザ本番の試合で緊張しまくりの中、結局PKを外してしまったならそれがその人の実力だということです。
ピッチングマシーンでいつも長打を打っている野球選手であっても、イザ試合本番で4打席無安打であれば、厳しい言い方ですがそれがその人の実力だと言うことです。
実力というのは、プレッシャーも掛からず、体調も良くて、気温も快適で、ホームでサポーターが応援してくれる時に出せるような力を指すわけではありません。
それらがすべて逆パターンのチュエーションでも発揮できるものこそが「実力」です。
極端なことを言うと、一番ダメな時にどこまでの力を出せるのか・・・が実力の本質です。
実力の無い人ほどここが分かっておらず、おまけに自信過剰だったりするとリーダーの判断を誤らせるので要注意です。
リーダーは自分の部下の実力を自分の目と頭で判断することが大事で、本人の申告を鵜呑みにしたり、周りの社員の言うことをそのまま信じ込んでしまうとキケンです。
実力が無いと、ちょっとした外部環境のゆらぎに負けて得たい結果を導き出せませんから、リーダーは部下のマネジメントにおいてそうしたこともしっかり頭に入れておくことが大事だと思います。