
仕事でもプライベートでも「計画」を立てて、それに沿って行動する姿勢は大切です。
ところが、計画を立てたときと遂行していくときでは必ず「ズレ」が生じます。
だから、計画通りに物事が運ぶとは限りません。
優秀なリーダーはこのことをちゃんとわかっています。
わかっているので、計画通りに進まなくても慌てないし、計画通りに進められない部下を頭ごなしに叱責することもありません。
頭ごなしに叱責するという自己満足なマネジメントを執るのはダメリーダーの典型的な行動パターンです。
優秀なリーダーは、「計画」という制作物よりも「計画づくり」のプロセスが大事だと理解しています。
時間が長くなればなるほど「実際は計画通りにはいかない」ものです。
人智は万能ではないし、人智を超えた出来事が必ず発生します。
仮にそれらがまったく起きない(長期間の計画なのに計画通りに物事が進む)としたら、
1.相当甘い計画を立てた
2.未来をすべて見通すというスゴイ見識を持った人が立てた計画
3.たまたまのことで運が良かった
のいずれかです。
「2」はあり得ませんから、計画通りにいったなら「1」か「3」ということになりますが、かなりの年月を費やす計画(=時間が長くなればなるほど・・・という意味)であれば、たいていの場合は「1」だったということになります。
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多くの人(経営リーダーも含めて)は、計画を立てようとすると、「紙に書き出された計画書」という「制作物」が大事だと思ってしまいがちです。
一種のトラップです。
計画を立てるまでにさまざまなことを考えます。
いろんな場合/パターン/確率などを考え、思考回路を巡らせてより完璧に近いモノを作成しようと試みます。
とにもかくにも、その結果、何らかの「計画書/計画案」という制作物ができあがります。
もちろん、その計画書が不要だとか邪魔だということはまったくありません。
とても大事なことです。
でも、計画づくりでさらに重要なのは、最後にできあがる「計画書/計画案」という制作物ではなく、その「計画書をつくるためにいろいろ考える(さまざまなパターンを想定して組合せを行なってベストと思われる道を拓く)」という思考プロセスにある・・・と思っておくほうがベターだと思います。