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リーダーの中にはいつしか仕事の中身が「起きたことに対処していく」という状態になっていく人がいます。
トラブルに対処する・・・顧客からのクレームに対処する・・・緊急会議に対処する・・・部下の急ぎの相談・報告に対処する・・・などです。
ここで悩ましいのは、その起きたことのほとんどは「できれば起きてほしくなかった」ことだということです。
そのため、姿勢としては「どうやってこの状況を無難に乗り切るか」・・・という思考回路になりがちです。
脳が「どう未来を創るか」という前向きなモードではなく、「どう過去と現状に対処するか」という後ろ向きなモードになっていきます。
どうやってこの状況を無難に乗り切るか?・・・と考えてばかりいると、平常心も失われがちです。
そのため、焦りや逃げの心が生じやすく、ストレスも溜まりやすくなります。
「対処すること」自体は悪いことではありませんが、リーダーはそれが本来の仕事ではないハズです。
リーダーにはリーダーの本来の仕事があります。
もしも自分がそうした環境・状態に陥っていると気づいたなら、スグに手を打って「部下に任せる」という采配を振ることも必要です。
何でもかんでも自分で抱え込んで自分だけで対処しようとするのは、リーダーの本分を全うできなくする一種の落とし穴のようなものです。
「どう対処するのか・・・」ではなく、組織内の仕組みとして「対処しなくても良い」ようにすることが大事です。
ただ、すべてがそうはいきませんから多少の余地を作って「リーダー自らが対処すべきこと」の枠を設けておくことも必要です。
いずれにしても「起きた出来事の対処」という過去の負の清算に追われることから早く脱却して未来志向の仕事・マネジメントを執ることが大切だと思います。