ある寓話に、金貨が入った壺に手を入れて金貨をたくさんつかんで抜こうとしても手が抜けない・・・手を抜くためにはその金貨を握った手を緩めればいいだけなのに、欲にくらんでこぶしを握ったまま手が抜けない!・・・という話があります。
また、ジャングルでサルを捕まえるときのワナに同じような籠(かご)の話があります(サルの好物を籠の中に入れておき、サルが手でつかむと口が狭くて手が抜けなくなるのでサルを捕獲できる・・・という話)。
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お金には「稼ぐ」「貯める」「増やす」「使う」があり、亜種として「借りる」「返す」があります。
経済的自由を得たいサラリーマンにはどれも大切な概念ですが、「貯める」によく似た「握る」というのはあまり持たないほうが良いと思います。
経営に携わるリーダーも同様です。
たとえて言うと、「握る」とお金が窒息死します。
貯めたお金は「増やす」ことにまわして活かさないと、お金本来の機能を台無しにしてしまいます。
お金に限らず、会社でも自分の権力に酔いしれて権力・名誉・地位・報酬・情報などを「握って」手放すことを拒否する人がいたりします。
そういう人は、組織の上に行ってはいけない人ですね。
あまりに執着が強すぎる人です。
執着し過ぎると「我」を失い道を外れます。
執着し過ぎると手にこぶしを作ってしまいます。
握る=「こぶしをつくること」ですが、それでは手の自由がききません。
素直に握ったこぶしを開くことができるような人、素直で謙虚な人、執着よりも変化・未来に目を向ける人・・・そういう人でなければ組織のリーダーには向かないと思います。