ゴルフは、ホールと呼ばれる穴に球を入れるスポーツです。
そのホール(穴)は、「直径108ミリメートル、深さ101.6ミリメートル」という小さなものです。
世のお父さんたちが大好きなゴルフは、この穴の中にズバリ自球を入れることを競うもので、球が外側をかすってもダメで、ちゃんとしっかり穴の中に入らなければスコアにはなりません。
また、いったん球が穴に入っても反動で外へ飛び出してもダメです。
言うなれば「点」の勝負です。
企業活動の通知表である財務諸表は、これと同じく「点」の発想です。
1円でもズレていたらそれは「間違い」となり、場合によっては不正・粉飾とみなされます。
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一方、野球というスポーツのピッチャーとバッターの勝負は「点」ではなく「立体」です。
ど真ん中という点だけがストライクなのではなく、内角高めや外角低めも立派なストライクゾーンに該当します。
正式には「打者の肩の上部とユニフォームのズボンの上部との中間点に引いた水平のラインを上限とし、膝頭の下部のラインを下限とする本塁上の空間」(←ややこしい)がストライクゾーンです。
この空間の一部分でもボールがかすめていればストライクと判定されます。
一点のみが正なのではなく、一定の範囲内であれば正になるわけです。
世の中に完全無欠な完璧な人間なんて存在しません。
どんな人も「正」の部分もあれば「正でない」部分もあります。
「点」で善悪/優劣を問うのではなく、「立体」で善悪/優劣を問うような発想が、人間関係では重要だと思います。
企業経営の最終成績表はゴルフ式の発想で構わないけど、そこで働く社員たちの評価や成績は野球のピッチャーとバッターの関係と同じように判断・識別する・・・ということです。
「点」がつながれば「線」となり、
「線」がつながれば「面」となり、
「面」がつながれば「立体」となります。
2次元で考えるよりも3次元で考え、3次元で考えるよりも4次元で考える・・・という思考回路を持つと、周りのことに寛容になれて怒ったりネガティブになったりすることも減ると思います。
リーダーは、そうした緩急をつけた経営マネジメントの姿勢を持っていてほうがベターだと思います。