かつて、北海沿岸に一大海洋帝国を築いたクヌートという国があったそうです。
そこの王様は自分が全知全能だと過信し、海辺で寄せ来る潮の前で、波に向かって「下がれ!」と命じた・・・とか。
波は人ではなく自然の産物で岸辺に打っては引き引いては寄せる・・・の繰り返しですから、当然王様の命に応じることなんてありえません。
結果、王様の足元はしっかり水に濡れた・・・という笑い話なのですが、世の中にはこの王様のような理不尽/常識知らずの人が結構いるものです。
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会社内である程度の職位に就くと、その職位における権限をもって自分自身がまるで偉くなったかのように錯覚してしまう人がいます。
大いなるカン違いをするサラリーマンです。
そして、部下に対して何でも命令できる/部下は自分の言うことをすべて聞かなければいけない・・・などと間違った思い込みをして、社内で理不尽なことを通したり余計な軋轢を生んだりします。
本当に迷惑な人です。
そんな人はそもそも上位職に就けてはいけない人であり、そのことを上司が見抜く/人事評価を適切に行なうことが大前提条件として求められる事柄です。
上司は必ずしも成人君主ではありませんが、それでも部下の人事権/人事評価権利を有している以上は「人を見る目」が備わっていなければいけないと思います。
人を見る目が備わっていなければいけない類の人は多く存在しますが、企業内における人事力を強く持つ人ほどそうした「目」を鍛えて上位レベルに引き上げていかなればいけません。
クヌート王にように裸の王様になってはダメですし、物事の道理・摂理を理解し、常識力を兼ね備えたリーダーに成長していくことが大切だと思います。