ご飯を盛るお椀にもいろんな大きさがあるように、「器」はその器によって大小さまざまです。
組織ではしばしばリーダーの器が問題になりますが、それは取りも直さず「リーダーの器の大きさ」の問題であり、もう少しかみ砕いて言うと「リーダーとしての形(型)と量(深さ)」の問題に行き着きます。
器を問題として取り上げるときは、その形と量の両方の側面から視ることが大事です。
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例えば、丸い円の形の器に、その円形より少し大きめの氷を乗せたとします。
時間とともに氷は溶けていきますが、面白いことにそれだけではなく、やがて器からはみ出ていた部分がそぎ落とされて徐々にその丸い器にはまり込んでいきます。
元は形が四角だったとしても、氷は見事なまでに(器に合わせて)丸くなります。
ここに、四角い氷を丸い形にしたいときどうするか?・・・という命題の一つの答えがあります。
→ 氷に向かって「丸くなれ!」と命じる必要はありません。
→ 叩いたり(殴ったり)、蹴ったり、握り締めたりする必要もありません(そんなことをしても氷は形を適応させずただ砕け飛び散るだけです/人間であれば反発したり逆らったり面従腹背をするだけです)。
氷を丸くしたければ丸い容器を用意すればいいわけで、そうした環境下では氷は自ら丸い空虚を埋めようとして丸くなっていきます。
まあ、これは一種の例え話ですが、要するに器には「大きさ」もありますが「型」もあるということです。
会社組織に例えて言うなら、組織はリーダーの影響を大きく受け、また部下はリーダーの影響を強く受けます。
良くも悪くも部下はそのリーダーの「型」に合わせてその型にハマっていきます。
リーダーが厳格で杓子定規タイプのマネジメントを好む人であれば組織もそうなっていくでしょうし、リーダーが甘いタイプのマネジメントを好む人であればその組織はそうなっていきます。
リーダーがいい加減なタイプであれば組織もそうなり、リーダーがしっかりしていれば組織はそうなっていきます。
よく言われるように、組織運営はトップ次第・・・組織はリーダー次第・・・ということです。
まとめると、「器には大きさと形がある」ということであり、その大きさは「型と量」で決まります。
したがって、リーダーの器は「目標達成に向けて起きる現実を正面から受け止められる許容量の大きさと、人を正しい方向へ導くことができる型を持っていることで決まる」・・・と言えると思います。