アメリカでは「生きる志がある人は長生きする」という諺があるそうです。
似たような話が日本にもあります。
曹洞宗開祖の道元禅師(正治2年1月2日生まれ)と弟子の問答です。
あるとき弟子が道元禅師にこう尋ねました。
人間にはなぜ成功する人としない人がいるのですか?
道元は答えました。
成功する人は努力するし、成功しない人は努力しない。その差だ。
弟子は、ああそうかと納得したもののその晩にふと疑問が湧き、翌日道元禅師に再び尋ねました。
なぜ人間には努力する人としない人がいるのでしょうか?
道元はこう答えます。
努力する人には志があるし、努力しない人間には志がない。その差だ。
弟子は大いに肯き家路につきます。しかしその晩、またまた疑問が湧きます。
翌日、再び道元禅師に尋ねます。
なぜ志がある人と志のない人が生じるのでしょうか?
道元はこう言ったそうです。
志のある人は「人は必ず死ぬ」ということを悟っている。志のない人は「人は必ず死ぬ」ということを本当の意味で知らない。その差だ・・・と。
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アメリカに120歳までの人生計画を綿密に描き、巨万の富を得ているジョン・F・ディマティーニという人物がいます。
彼は17歳のときにポール・ブラッグというメンターと出会いました。
ディマティーニ少年はポール・ブラッグ師匠から「目的と目標を紙に書き留め、常に見直し、定期的に更新し、そしてその紙は決して捨ててはならない」という教えを受けました。
ディマティーニ少年はそれから毎日のように人生計画を記し続け、今ではなんと30冊を超える彼自身の「ミッションブック」があるそうです。
まさに「志のある人」です。
年始という時期に今年一年の目標を立てる人はいても、常に人生レベルでの計画を立てて実行し続けてきている人はごく少数かと思います。
悔いのない人生を過ごすためにも、自分がやりたいこと/成し遂げたいことなどを明確に記し認(したた)め、今年一年限りの目標ではなくもっと大きな人生計画を立て、志をもって生きる姿勢を保つと良いと思います。
そのためにも、道元禅師が説く「人は必ず死ぬ」ということを深く悟り「これからの人生では今が一番若いときだ」と気づくことも必要だと思います。
人生二度なし・・・ですね。