リーダーシップの世界的な権威の一人であるジョン・C・マクスウェル氏は次のように言います。
これまで歴史に名を残す偉大なアスリートたちと多く会ってきたが、一様にして彼らが現役を振り返るときに思い出すのは、何回優勝したかとか、どんなタイトルを獲得したかとか、何点入れたかというようなことではなかった。
彼らが現役時代を思い出すのは、さまざまなことが起こった日々の中で、誰とプレーをして、誰がサポートしてくれていたのか、どんな人たちと共に乗り越えたのか、ということだった。
そして、そこにあるのは「感謝の気持ち」・・・だったそうです。
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世界的な名著『人を動かす』の著者であるデール・カーネギーは、成功するうえで押さえておきたいこととしてこう言っています。
「成功とは到達地点(Destination)ではない、成功とは旅路(Journey)だ」
彼が言うには、成功というのは「○○を手に入れること」といった到達することを指すわけではなく、「どんな日々を歩んでいるのか」・・・というプロセスのことである、というわけです。
多くの人は、成功という言葉の行き着く先を「売上〇〇億円になること」・・・「年収〇〇万円」・・・「職位が〇〇になること」・・・という点で捉えがちです。
ところが、そうやって「どこかに到達すること」と固定してしまうと、壁にぶつかり、結果が変わらないときにとても焦ります。
そして、壁や思い通りにならない人のことを「障害物」のように感じてしまいます。
でも、もし「成功=旅路そのもの(=線・面)」だと思っているなら、「障害物」は「新たな境地に進むための一つのきっかけ」に見えるかもしれないし、「傲慢になるワナから救って謙虚になることを教えてくれた天の助け」と思えるかもしれないし、「表面・外見ばかり追いかけていたことから内面・本質を見つめなおす時期だと教えてくれた師匠」と感じるかもしれません。
「成功=旅路そのもの」だと捉えれば、あらゆる出来事が豊かな意味を持ち始めます。
「旅路(Journey)」だと捉えれば、その道中で出会う人たち、出来事、その過程で遭遇したトラブルさえも、旅路を彩る要素の一つとなります。
活躍するリーダーの多くの人が「人生で大事なことは感謝だ」・・・と言っているのにはこうしたところに理由があるのかもしれません。
点で考えるのではなく、線もしくは面で考える・・・という発想です。
この発想はとても大事だと思います。
想い出や思入れをたくさん詰めることができ、記憶を呼び覚ますことに有効になると思います。