完璧な人間などいません。
特に子どものうちは顕著ですし、親はそうした我が子を育むことで少しでも欠陥を排除しようとします。
でも、やはりどんなに子が成長しても完璧な人間にはなれません。
大人になって相手に完璧さを求めると、人間関係はストレスの源になります。
「あの人はわかってくれない・・・」と言う人がいますが、多くの人は「口で言ってくれないとわからない」もので、何も言わなくてもわかるだろう・・・というのはかなり偏った考え方です。
「何を求め、何を求めないのか」を明確にせずして相手にすべてを分かってほしい・・・というのはちょっと行き過ぎです。
ビジネスでも、上司部下の関係でも、親子兄弟であっても、やはり「具体的に相手にこうしてほしいと伝えること」は大切です。
言わない要求をわかってほしい・・・といったことを人間関係に求めるのは止めたほうがベターです。
仮に、そんな単純なステップを経ずに人間関係がストレスになっているとしたら、それは相手の問題でも自分の問題でもなく、「価値観とルールの問題」と知ることが必要です。
誰しもその瞬間に相手が大切にしている価値観はわからないものです(大切にする価値観は場面、タイミングによって変わる)。
相手の中にある「こういうときはこうすべきだ」といった自己ルールを、何も聞かずして知ることは至難の技です。
ある時間を充実するか退屈するかは、その人の価値観が満たされているかどうかによって決まります。
また、イライラするか平穏でいられるかは、その人のルールが守られているかどうかによって決まります。
もし相手の大切にしている価値観やその人が大切にしているルールがわからないままだとしたら、多分に価値観の齟齬から人間関係にストレスを感じることが増えると思います。
ストレスは「こうあるべきという自己価値観」との齟齬から生じることが多いものです。
言わなくてもわかるだろう・・・聞かなくてもきっとわかってくれているハズ・・・という勝手な思いこみから脱却して、一歩踏み出して「聞いてみる」というステップを踏むことは大事だと思います。