人は、欲しいモノを手に入れられないことのもどかしさより、実際に手に入れたモノを失うことの喪失感のほうを強く感じます。
何かを入手した後は、それを失いたくない・・・と人は思うものです。
仕事でもそうですし、恋人でもそうですし、お金や資産でもそうです。
たとえて言うなら、まだ見ぬ1000万円よりも手元にある10万円のほうを失いたくない・・・ということです。
「すでに手に入れたモノを守りたい気持ち」のほうが100倍以上くらい強いかもしれません。
「何かを手に入れられない」というのは現状の自分にとってゼロがゼロのままですが、「何かを失う」ということは現状のプラス○○が一気にゼロになってしまうことを意味します。
だから、その喪失感が耐えられないのでしょうね。
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株式投機では、自分の買った株が値下がりすると売ろうに売れなくなる人が多くいます。
なぜ売れないのか?
損をする(=実損を確定させる)のがイヤだからです。お金を目減りさせるのがイヤだからです。
その結果、ますます値下がりしてどんどん評価額は少なくなっていきます。
そして、「株は怖い!もうやめた」・・・と市場を去っていくことになります。
その感情をコントロールする冷静さを常時持っていることは難しいことですから、上手に株式投機をする人はあらかじめ「○%値下がりしたら/○円値下がりしたら」見限って売却する・・・と決めている人が多いです。
機械的に損切りするわけです。
そのような人は、その売った資金でまた次の株を買うというチャンスに乗ることができます。
その結果、うまくいくときもあればうまくいかないときもありますが、絶えず市場に参加し続けていられます。
失うことは辛いことであり、ショックなものですが、だからと言って時代や時流に逆らって現状維持を図るのは愚策です。
次のチャンス/新たな機会をモノにする・・・というくらいの気概で、いつも前向きに進んでいきたいものですね。