学生生活にピリオドを打って社会人になろうとするとき、家族も先生も「仕事を見つけさない」と言います。
決して「人生の目的を見つけなさい」とは言いません。
「仕事を見つけなさい」とはすなわち住む場所、食事、衣服を確保しなさい・・・ということです。
これが第一のステップ、人間が生きていくうえで必要となる「基本的ニーズを満たす」段階です。
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そして、実際に仕事を見つけて働くようになると、1ヶ月に1度の給料日を迎え、労働の対価としてまとまったお金を手にします。
そのお金は次の給料日まで、自分が生きていくための大切な資金源となります。
最初はその金額でも十分満足できるのですが、徐々に「もっとお金があるといいなあ」という感情が芽生えてきます。
併せて、仕事の過程で「自分という人間を認めて欲しい/もっと目立ちたい」という気持ちになり、仕事で認められれば給料も増える」ということに思考回路がつながります。
これが第2のステップの「承認されたい欲求を持つ」段階です。
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やがて、給料の中からちょっとずつお金を貯めてたまには贅沢をしてみる・・・ということを経験します。
最初はごく稀にしかできない贅沢だったのが、もっと味わいたくなり、そのために「お金を貯める」などの目標を持とうとします。
そして、それが見事成し遂げたときの達成感を忘れることができず、さらに高度な目標を立て始めます。
これが第3のステップ「目標達成への意欲」です。
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目標としたことが達成できることもあればできないこともあります。
やがて、そもそも何でこうした目標を掲げていたのだろうか?・・・と振り返るようになり、そこである重大なことに気づきます。
それは、目標の前に「目的」をもつことが大事だった!・・・ということです。
幸せや達成感を得るための秘訣は「目的」を明確にして、それを忘れないことです。
生活の糧(かて)を得るために働くのではなく、好きなことをして多くの人にも喜んでもらえて、そのうえでお金も得られることの重要性に気づいたとき、人は改めて「生きる目的」を見い出そうとします。
するとそこには情熱が生まれ、もはや労働者の生活を繰り返すのではない新たな自分が存在していることにも気づけます。
これが第4のステップ「自己実現への道」です。
好きなことをしているとき、
やっていることが好きなことのとき、
人生は喜びとともにあります。
それが一人ではなく、共通の目的を持った人と一緒にできたならなおハッピーです。
大切なことは目的を見つけ、情熱を注いでそれを貫くことにあると思います。
それができる段階であれば、もちろん基本的ニーズは満たされているでしょうし、みんなから承認され尊敬されているでしょうし、ちょっとした贅沢もできる環境下にあり、目標も自分で設定して実現することができていると思います。
かつて、アメリカの自動車王ヘンリー・フォードは「できると思えばできるし、できないと思えばできない」という名言を残しました。
何事も自分の考え方一つで、世界観は変わるものです。
怖れや不安があっても、自分の成功を信じて一歩一歩前進していく姿勢が大切だと思います。