契約は「諾成契約」が原則なので、口頭で交わした契約でも有効なのですが、そうは言っても人は忘れる動物ですし、後で言った言わないでトラブルになるのも避けたいですからほとんどの場合は「契約書」をつくり、後々に契約内容を確認できるようにするのが一般的です。
ビジネスで契約書をつくる際、重要なのは契約書に書いてある内容(情報)であって、紙ではありません。
内容(情報)をわざわざ紙というものに載せることは、ある意味では手間が増え物品が増え保管場所が必要になるので、面倒と言えば面倒です。
要は余計なコストが増えてしまいます。
そこで、そうした内容(情報)を従来の紙(モノ)に載せるというやり方から切り離していけば、それだけコストを削減することができます。
そうした着眼点から、世の中には「クラウド」と呼ばれるIT技術が重宝されるようになってきました。
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人間が東京からニューヨークへ移動しようとすると、高い運賃(飛行機代など)がかかります。
人間ではなく、小包を送るだけならコストはその10分の1以下になりそうですし、手紙やハガキなら更に安くなります。
情報を持っていくのが人間だと高いコストが必要ですが、物品や書面で事足りるならコストは削減できるわけです。
それが、今ではインターネットの登場によって、ほとんどタダ同然で、しかも瞬時に送れるようになりました(メールなどで)。
しかも文字だけではなく、映像や音声も瞬時に送ることができるわけですから、これによる時間とコストの削減への効果は計り知れないものがあると思います。
お金についても昔と今では大違いです。
昔はお金の概念が「石や貝や貴金属」だった時代もありますが、それだと持ち運びに労力と時間がかかります。
それが小さな硬貨や紙幣になったことでかなり手間ひまがかからなくなりましたが、さらに電子送金という手法によってもっと効率化が進みました。
必要なのはせいぜい振込手数料くらいです。
硬貨や紙幣というのは、モノの上にお金の価値観が乗っかったものですが、ここで大事なのはモノではなく価値観のほうです。
硬貨をつくっている金属や紙幣をつくっている紙やインクが大事なのではなく、その硬貨や紙幣にいくらの価値観を植え付けているか?・・・が大事なところです。
言えるのは、物事は「モノから情報や価値観を切り離していけばいくほどコストが抑えられ、時間も短縮できる方向にある」・・・ということです。
そうした仕組みや手順を考えついた人は世の中に変革をもたらし、ビジネスにおいては莫大な富を得られるような気がします。