貧子は困苦に当って己れを鍛錬し、富子は安逸に流れ己れを鍛錬する
↑ ちょっと難しい表現ですが、グレシャムの法則「悪貨は良貨を駆逐する(劣るもののほうがすぐれているものを侵犯していく)」・・・と少し似ています。
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今日の人類学では、現人類の子孫はアフリカから出たホモ・サピエンスだと言われています。
10万年前はネアンデルタール人とホモ・サピエンスが共に生息していたけど、ネアンデルタール人は徐々にホモ・サピエンスによって辺境に追いやられ衰退していきました。
元々体格が良く体毛の濃いネアンデルタール人のほうがホモ・サピエンスより優位だったのですが、体格で劣り体毛が薄いホモ・サピエンスのほうは逆に寒さをしのぐ必要に迫られたことから道具を発達させるなど知能を発達させることに成功したようです。
やがて、そうした知能の差によってネアンデルタール人のほうが辺境に追いやられ、今日に至った(ホモ・サピエンスが現人類の先祖)・・・とのことです。
よくヒトと比較対象で言われるチンパンジーは肉食獣に襲われることのない樹上生活で豊富な果実で安穏と生きてきたため、800万年前と大きな進歩を見せていない・・・とも。
こうして学んでいくと、現人類は生きていくうえで不利となるような他の動物に劣る点がいくつもあって弱かったがゆえに、そこを何とか生き延びるために努力と工夫を重ねて今日の地位を築いてきた・・・と言えるのかもしれません。
また、これは人類史だけでなく、大きくは国家盛衰の歴史を見ても、また小さくは一人物の伝記を学んでみても、同じようなことが言えると思います。
弱者が強者を凌駕する・・・というわけですが、ダーウィンの「優秀なものが生き残ったのでもなく、強いものが生き残ったわけでもなく、適応したものが生き残った」ということだと思います。
私たちは、この自然界のルールを忘れてはいけないと思いますし、常に「適者生存」を意識しておく必要があると思います。