江戸の武家社会を支えたのは「門閥(もんばつ)」と「世禄(せいろく)」の2つだったそうです。
家柄に世禄が付いているので子々孫々までこれに依存することができ、どのように愚かな者であっても衣食に困らない・・・ということのようです。
先祖代々続く家柄と保証された俸禄が武家社会を支え、家計の存続を揺るぎないものにしてきたわけです。
(今でもそうした傾向は一部の政治家などに脈々と受け継がれてきているように思えます)
やがて江戸時代から明治の代に変わり、先祖の功労によって生き永らえるという概念は弱くなり、たとえ役人であっても奉職中の本人の月給だけが頼りになりました。
かつて福澤諭吉は、これこそが文明開化だと言って、文明開化の理念を次のような言葉で言い表しました。
「国民がそれぞれ自分の才能で生活し、先祖の功労に依存しないこと」
資本主義経済社会で生きる私たちはこの概念をしっかりと身につけることが大事だと思います。
令和の時代を迎えた今ではなおのこと「自分の才能を活かして」生きることを意識する必要がありそうです。
自分の身は自分で守る・・・自分の食い扶持(ぶち)は自分で稼ぐ・・・自助努力を忘れない・・・といったところでしょうか。
100%完璧とまではいかなくても、根底には「自分の才能で生活し、先祖の功労に依存しない」という意識をもってビジネス社会に臨んでいく姿勢が大切だと思います。