今まで不動産価格が高騰して急落したのは、1986年~1991年のバブル時と、2005年~2008年のリーマンショック時だと言われています。
モノの価格と言うのは本来「あってないようなもの」で、時代とともにいくらでも変動します。上がればいずれ下がるし、下がればまた上がる・・・ものです。
バブル時に不動産価格が急落したのは株価の急落と相互的な要因があったと思います。元を探れば当時の大蔵省が発動した総量規制が原因だったと言われています。
当時は不動産価格が急騰していたので、国として対策を立てねば・・・と不動産への貸し出し金額を規制したわけです。
これが不動産価格を押し下げることにつながりました。
また、リーマンショック時はその名のとおりアメリカのリーマン・ブラザーズ(証券)が倒産したことがきっかけとなり経済に悪影響を及ぼしました。
リーマンブラザーズ証券の身売り交渉が頓挫し、政府もこれを救済しなかったことから倒産へとつながり、その影響が世界的な金融危機へと発展していきました。
要は銀行の資金繰りがまわらなくなったことから不動産価格の急落へ発展したわけです。
どちらも言えることは、銀行の貸し出しが渋り、渋ったことから既存の貸し出しの回収を強めたことなどが不動産の需要・供給バランスを崩し、そこから不動産価格の急落の引き金を弾くことにつながっていった・・・ということです。
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不動産を買う人は基本的に銀行融資を使っていますから、その価格は融資の情勢に左右されやすく、融資状況の変化は不動産価格の変動を呼びこみます。
融資基準を厳しくするだけではなく、過去の分においても何らかの規制をしたり、資金回収を強めたりする、いわば「後出しジャンケン」のようなことをするために多くのまともな人が痛い目にあうのだと思います。
一種のねじれと言うか、歪みと言うか、適切なビジネスを行えない環境をつくり出すようなものです。
過去の教訓から言えることは「不動産物件の売買」という観点では、銀行融資や政府の規制などに左右されることがある・・・ということです。
「不動産物件の売買」を気にすることは、すなわち「不動産投機」を行っていることを意味します。
投機でなくて「不動産投資」を行っている人にとっては、物件価格の変動はほとんど意味のないことです。
「投資」は物件自体を売買するのではありませんから、売れる売れないに関係なく、ただただインカムゲインが入ってくれば良いわけです。
キャッシュフローが適切に手元に残る物件を買っていれば(投資して入れば)、怖いことはないと思います。
そうした物件の買い方(=お金の使い方)がリスクを減らすことにつながり、だからこそ不動産購入時の大事なポイントの一つだと言えると思います。