
トランプ大統領の関税発言に端を発した通称「トランプショック」という言葉があります。
今年の4月の株式暴落時に流行りました。
そのとき、新型NISAを始めたばかりの多くの人たちが保有銘柄の株価の下げに恐怖を覚え、損切り/パニック売りをしたというニュースも流れました。
株式の売買は自己責任の下で行なうのが当然ですが、「人は損をすると責任を転嫁したくなる生き物」なのか、投資活動に対する責任追及も始まりました(そんなのは誰に求めても意味がないのに・・・)。
SNS上でも「一週間で50万円も減った!」とか「こんな怖いとは思わなかった」とか、「もう株は全部売って二度としません」とか、「NISAなんかに手を出さなければよかった」・・・などといった類の投稿が溢れました。
そんな人たちがいる一方で、その逆の行動を取る人もいました。
みんなが怖くなって売却に走っているところ、反対にそのウリ株を「買い」に走った人です。
そういう人たちは「なぜこの暴落のタイミングで慌てて売るのだろうか?・・・株式というものは上がることもあれば下がることもあるのが当たり前なのに・・・そして安く買って高く売ることが肝心なのに・・・」という思考回路をきっと持っていた人たちです。
暴落とは「今までより安く買えるチャンス」であり、「買い増しのタイミング」だと認識している人たちです。
目先の今日・明日・今週・今月という短期間の目線ではなく、これから5年後・10年後・20年後という長期スパンで考えれば、安く買えるのはチャンスでしかない!と頑なに信じている人の目には株式相場の暴落は黄金の野原に見えたのかもしれません。
貧乏人や初心者はこの基本原則を理解せずに相場に参入していることが多く、基本や原理原則を守らない人には「オトク」はやってきません。
感情で動き、恐怖に支配され、「損を確定させる」という最愚の選択を取るのは貧乏になる人の思考回路です。
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世界一の投資家ウォーレン・バフェットはかつてこう言いました。
「市場が貪欲なときは恐れ、市場が恐れているときは貪欲になれ」・・・と。
これは資産を増やすための合理的な戦略です。
暴落相場は優良な株式を割安で手に入れる一種の「バーゲンセール」とも言えます。
人は、高級ブランド品が50%OFFなら喜んで買いますが、株がたった数%下がるだけで慌てて売ろうとする・・・というヘンなクセを持っています(まあ、高級ブランド品と株式を同列に考えてはいけないかもしれませんが)。
これをおかしいと思わず、なぜ人は逆に行動してしまうのか?
それは、やはり貧乏人になっていく人の思考が「短期視点」に基づいているからだと思います。
お金持ちになっていく人の思考は「長期視点」に基づいています。
この違いは重要なポイントです。
今の評価額が減ると、すぐに「損した」と感じてしまい、長い目で見れば10倍になる可能性があるにもかかわらず目先のマイナスに耐えられず手放したくなる・・・。
短期視点しか持たない人は「ラクして儲ける」ことしか頭になく、「コピペだけで稼げる」とか「仮想通貨で億り人」といった射幸心を煽る言葉に弱い傾向があります。
要はすぐに儲かりそうなものに飛びつき、結果としてますます貧乏になっていく・・・という悪循環に陥っています。
この思考パターンは人生のあらゆる局面で「損をする選択」につながっていきます。
話を戻しますが、株式暴落は「昨日よりも安く買えるチャンス」という視点を持つか、それとも「自分の資産の評価額が下がるのは許せない、それ以上下がるのをじっと待っていられない!」と思ってしまうか?
短期視点も大事ですが、短期視点しか持たないことはうまくないと思います。
人生は「今終わる」わけでない限り、長期目線で判断することが大事だと思います。