住宅ローン・教育ローン・マイカーローン・事業性ローン・・・名称はともかく銀行からお金を借り入れて毎月返済をしている人はたくさんいると思います。
そうした人が経済的に考えなければいけないことの一つが「金利の引き下げ」に関すること・・・です。
今はかつてないほど借入金利が低い時代と言われていますが、金融機関によっても、その借りる人の属性等によっても金利はバラバラです。
多くの人は一度借りたらその時の金利を後々に引き下げをする・・・という発想自体がありません。
少し目利き力がある人は、後日に金利の引き下げ交渉を銀行と行います。
うまく交渉ののテーブルに着けるかどうかはケースバイケースですが、交渉できたと仮定したとき、銀行側がたいてい持ち出してくる交換条件があります。
それは何か?
定期預金の新規預け入れ(開設)です。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ある人の例です。
ローンを組んでいる銀行に200万円の普通預金を持っていました。
あるとき、ローン金利の引き下げを銀行にお願いしたところ、出てきた回答が「新たに300万円の現金を預け入れして、その300万円の定期預金を組んでくれれば金利を0.3%下げましょう」
・・・というものでした。
その人にとって、0.3%の金利引き下げは金額にして毎月約2万円の支払い軽減(節約)につながるものでした。
単純に言うと「300万円の預け入れで年間24万円の支出軽減」ですが、言い換えれば「300万円の投資で年間24万円のリターン」とも言えます。
24÷300×100%=8%です。
今のご時世で言えば、年に8%の利回りがある投資なんてまずないですから、かなりの好条件だと言えそうですね。
考え方を変換していえば、300万円で戸建て不動産を買ってそれを毎月2万円の家賃で貸しているようなものです(まあ、この場合は固定資産税が必要になりますから1.7万円くらいの家賃とも言えますが・・・)。
さらに言えば、300万円の現金を入れて定期預金を組んだ後、しばらく時が経つのを見計らいながらもともと預けてあった普通預金の200万円を引き出してしまえば、実質100万円の新規預け入れで年間24万円のリターンを得たことになり、そのときの利回りは24%になります!
さらにさらに極論を言うと、定期預金は途中で解約しても構わないものです。
半年くらい経って解約してしまえば、投資額はまるまる戻ってきてリターンにあたるローンの引き下げ分だけをずっと享受できることになります(まあ、もっともあまり露骨にするとその後の銀行との交渉が難しくなるかもしれませんが・・・)。
言えるのは、「ローン金利の引き下げ」という目的を達成するために、もしも「定期預金の開設」という交換条件が出されたとき、たいていの場合は一考の価値がある!ということです。
・・・・・・・・・・・・・
定期預金に預けるくらいならいっそのこと「繰り上げ返済をする!」・・・という手もあります。
これも確かに有効です。
金利自体は下がりませんが、毎月の返済額を減らすことはできます。
順番としては、
1.金利引き下げ交渉
2.繰り上げ返済
が良いと思います。
金利引き下げ交渉をすると定期預金を条件に求められ、それは目先的に現金が手元からなくなったような錯覚に陥るかもしれませんが、実はそんなことはなくて結構ラッキー!なパターンに落ち着くことが多いように思います。
一番大事なことは、ローンを組んだ後に「ローン金利を下げる方向で検討する」という発想を持つことでしょうね。