2週間前にギリシャへの金融支援の再開についてEUは条件付きで合意しました。
EU側は約860億ユーロを支援して目先の軟着陸を行ったわけです。
簡単に言えば、「まあわかったよ、じゃあとりあえずお金をこれだけあげるから後は自分で何とかしてね」・・・ということです。
これはこれで正解なのですが、ここでストップさせるとただの延命策止まりとなり、ギリシャ問題は3年以内に再燃・再発する恐れがあると思います。
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ここで思い出されるのは老子の言葉です。
「飢えている人に魚をあげれば一日生き永らえる。
魚の獲り方を教えてあげればその人は一生生きていくことができるであろう・・・」
ユーロという通貨を安定させ、加盟国の経済競争力を蓄えさせるには、表面的な資金の援助も当然大切ですが、加えて側面的援助・・・すなわち国力アップの支援をしていくことが各ユーロ国に課せられていることのように思えます。
今回のギリシャ問題を災い転じて福となす・・・にしていかないと、今後も更なるピンチが訪れる可能性があります。
たとえば、直近の話題だけでもスペインのカタールニア地域の分離独立騒ぎがあったり、イギリスでもスコットランドの独立問題や2017年末までにEU離脱について国民投票の実施予定があることなどからもユーロ安定が薄氷であることが窺い知れます。
今回のギリシャ問題の合意はいったんの解決策ですが、それは「今後のユーロの安定化の始まり」を意味するのではなくて、むしろ「ユーロの新しい不安定化の始まり」になる危険性も内包していると言えます。
そうならないためにも、一段アップの発想として老子の言葉にヒントを得た行動が求められていると思います。