西郷隆盛は「一家の遺事人知るや否や、児孫の為に美田を買わず」という言葉を残しました。
良い田んぼや土地を買うなどして財産を子孫に残せば、子孫は仕事もせずにのんきな生活を送ることになって、かえって良くない・・・という教えです。
同じようなことをアメリカの鉄鋼王と称されたアンドリュー・カーネギーも言っています。
「子どもに巨財を残す親は、概して子どもの才能とエネルギーを台無しにする。
親の巨万の富を相続しなければ、子どもは有意義で価値のある人生を送るチャンスを得るだろう」・・・と。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
成人した子どもの生産性が低くなる原因の一つに親からの過剰な生前贈与があるとも言われます。
我が子の生活を心配して、ある程度の金銭的援助や財務的な負担を被ろうとする親の気持ちはわからないでもありません。
でも、目先的にはそれで良くても長期的にはかえってそれが子どもを甘やかすことになり、子どもの自立性を損なうことになるかもしれない、と気づくことも大切です。
良かれと思ってしてあげた経済的援助によって、逆に子どもが「老後貧乏/老後破産」を招くことにつながるなら、本末転倒です。
子どもが自らの手で獲得した権利収入は良いのですが、親からの譲渡で得た権利収入だと子どもの勤労意欲を削ぎ、単に資産の食いつぶしをするだけとなり、その結果不幸な状態に陥っていく・・・かもしれません。
子どもの幸せを願う親の思いは理解できますが、だからこそ子どもには多少厳しい経験をさせてあげることも必要なのかもしれません。
行き過ぎた生前贈与/遺産の相続はあえて行なわない・・・という意識を持つことは大切だと思います。
その裏側には「自分にできた事以上に自分の子どもには何かを成し遂げる力があるはずだ!」と信じてあげる親心が潜んでいるかどうか・・・だと思います。グッド!