ここ数年、不動産投資がちょっとしたブームになっているような気がします。
公的年金が当てにならないことから、鼻の効く人たちが老後の資金不足を懸念して始めたというケースは多いと思います。
また、史上初めての超低金利による行き場を失った各種資金が、その運用先を求めて不動産市場に流れ込んでいることもあると思います。
2020年の東京オリンピック開催という「ある種の特需」も背景にあると言えます。
日銀が進めてきた大規模な金融緩和は、結果として不動産投資ブームを後押ししてしまった・・・のかもしれません。
投資でも投機でも言えることですが、どんなことにも「リスク」が必ずあります。
リスクとは、物事(要因)が変動する・・・自分の思った通りのようにいかないことがある・・・という意味です。
不動産投資は金額が高額になるため、最初に失敗をしてしまうと回り道を余儀なくされてしまうことになるので要注意です。
したがって、闇雲にお金を投じるのではなく、慎重に・・・事前にキチンと計算(シミュレーション)をしたうえでお金を投じることが大切です。
また、そもそも不動産投資は「投資」という名がついていますが、他の株式投資などとは大きく異なる点があります。
それは、不動産投資とは別の視点でとらえれば不動産賃貸事業(大家さん事業)と言えることです。
すなわち「事業であるという意識」を持つことが求められます。
事業として運営していくからには、経営者の視点で運用をとらえ、運用自体を赤字ではなく黒字にもっていく姿勢が必要です。
その意識を持っているのと持っていないのとでは、その後の運用結果に大きく差がついていきますし、成功と失敗の境目にならないとも限りません。
株式投資ではそうした発想は浮かんできません。
株式投資では「顧客」という概念がないからです。
不動産投資では「入居者」という顧客がいて初めて家賃収入を得ることができるわけで、この「顧客の概念があるかどうか」が両者を分ける大きな観点だと思います。