貯蓄と投資は、将来の出費に備えて手持ちのお金の一部を選り分けておく・・・という意味では同じです。
また、手持ちのお金を消費にはまわさない、という意味でも同じです。
でも、両者が大きく異なるのは、貯蓄の目的は寄り分けたお金を「減らさない」ことにあるのに対し、投資の目的は選り分けたお金を「増やす」ことにある点です。
ここで言う「減らさない」は、絶対に減らしてはいけないことを意味します。
ここで言う「増やす」は、積極的に増やそうと試みるものの、万が一の時は意に反して(失敗して)増えるどころか減ってしまうことも覚悟のうえで行動することを意味しています。
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ファイナンシャルプランナーの大半は、例えば医療費や車の修理費、さらには仕事がなくなったときの生活費の支払いなど、予想外の出費を賄うための「緊急資金」を構築しておくように提言してくれます。
その目安の金額として、3カ月から6カ月分の生活費に相当するお金を貯蓄しておくように勧めてくれます。
当たり前のことですが、このお金をリスクに晒すことはご法度です。
なぜなら「減らさない」ことが目的のお金だからです。
せっかく貯めておいた虎の子のお金を、間違っても「増やす」に使ってはいけません。
「増やす」に使ってよいのは、最初から「増やすために貯めておいたお金」だけです。
「貯める→増やす」とするのか、それとも「貯める→そのまま」とするのかは、お金の将来の使い道を考えたうえでの判断が必要です。
この決断はとても重要な決断の一つだと思います。