芸人の又吉直樹さんは、2015年7月15日までは普通の「芸人さん」でした。
それが翌日以降は一躍「時の人」となり、世間にその名を轟かせました。
なぜなら芥川賞を受賞し、自ら書いた小説が100万部以上出版されるなどの小説家・作家として名を馳せたからです。
人生は「万事塞翁が馬」であり、昨日までの事象のとらえ方を今日からは別の解釈でとらえることがよくあります。
そして、人生が良くも悪くも大きく変化します。
その背景には必ず「原因と結果の法則」が隠れていることを忘れてはいけないですね。
又吉さんが、作家として大先生となったのもそれまでの地道な努力があったからこそ・・・です。
そして、今はまだその途上にいるのに過ぎない・・・ということも大切な点だと思います。
つまり、芸人として花が咲いた!というより、違う分野でその才能を開花させたわけで、ご本人が見据えている未来像はまだ別の次元にあるからです。
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東京に出てきてまだ売れない頃に又吉さんは何をしていたかというと、風呂なし・トイレ共同のアパートでひたすら本を読みふけり、大学ノートにネタを書き続けたそうです。
他の芸人さんの多くはアルバイトに精を出して少しでも良い暮らしをしようとしていたそうですが、ここに発想の違いがあります。
つまり、何に焦点を当てるか?!ということです。
又吉さんは生活が維持できる程度の必要最低限のアルバイトしかせずに、あとはお笑いのネタを書くことに費やしていたそうです。
目標が「お笑い芸人として大成する」という点にあり、そのために今何をべきなのか?・・・と考えたとき、
○お笑い芸人としてのスキルを磨く
×アルバイトしてお金を稼ぐ
という判断だったわけですね。
実際に「その時があったからこそ、今の自分がある」と当時を振り返って語っています。
またこうも言っています。
「お笑い芸人として売れることを目標とするなら、お笑いに費やす時間をまず確保しなければダメですよね。
バイトを週1回にすれば、週の半分バイトしているヤツが5年間かけてお笑いに費やす時間を2年半で確保することができるはず。
もしその2人の才能が同程度なら、売れる可能性が2倍早くなると考えていました」
・・・と。
小学生時代から書き続けてきたネタ帳は普通の大学ノートでナント100冊以上 にもなっているそうです。
ネタ帳も将来を見越しての立派な「自己投資の蓄積」です。
今回、又吉さんが 「時の人」となったのは、本人が目指している「芸人」としてではなく、そこから派生して生まれた「作家」としてですが、いずれにしてもまだまだ人生の途上ですから今後芸人として大活躍する可能性は十分に考えられます。
今回のこうした一連の流れから学べるのは、
1.まず将来について考え夢を持つこと、
2.1に向かって具体的な行動を起こすこと
3.2を継続すること
です。
若い時にたっぷりと自分への投資を行ない、目標の「コミットメント」を行なうことが大事・・・など、成功哲学はいつの時代でも普遍的で統一性があると改めて勉強になりました。