人間には、たくさんの能力の種類があって、「すべてにおいて完璧」という人はいません。
どんな人でも、他人より秀でているところがある一方で、「自分にはこの才能がない(足りない)」という分野があります。
そして、その足りないところを補ってくれる人が人間社会には必ずいるものです。
それ(自分にとっては不得手なこと)が得意だ・・・好きだ・・・という人が世の中には必ずいるものです。
だから、自分は自分の得意な分野の仕事をやって、得意ではない分野はそれが得意な人に任せる・・・のが一番有効な仕事のやり方です。
さらに面白いことに、仕事で必要な分野において誰よりも秀でているわけではないけど、かと言って誰より劣っているわけでもなく、中途半端のようでもあり、そうでもなさそうでもあり・・・という人がいます。
極端なことを言えば「他の人に比べて特段秀でた能力がない人」です。
そういう人が、では組織内でまったく仕事ができないのか?・・・と言うと、決してそうではなくて、自分以外の人を割り振って全体最適を導くことに長けていたりします。
そういう人はマネージャー向きな人です。
全体を束ねて組織として人を動かせられるなら、リーダー向きです。
ある仕事をするとして、そこに7つの能力が必要で、自分にはそれら7つの能力すべてが欠如しているけど、それぞれの能力を持つ7人を見つけ出して7人に仕事を割り振って仕事を完成させることができるなら、そういうことを仕事にすればいいだけです。
7人を組み合わせる力があれば、十分にその人の存在意義があります。
そういうことができる人が、結局は経営者になったり、プロデューサー業に向いていたりするわけです。
ビジネスの世界では、「能力があまりないこと」を必ずしもマイナス要因にとらえる必要はなく、「能力があまりない場合はどういった立ち回りをすべきなのか?」を考えることが大切です。
まあ、もっとも、それができる人は少数派で、多くの人は「何らかの能力を持っている」ものですし、仮に今はその能力が開花していなくても、切磋琢磨して研鑽を積んでいくことでいずれ開花する時期を迎えると思います。