![](https://office-sawai.net/wp-content/uploads/2019/12/hatena-1184896_1920-1024x796.png)
たとえば
Q. 1億円稼いだ人と1億1千万円稼いだ人がいるとき、どちらの人のほうが優秀でしょうか?
と聞かれたら何と答えますか?
A. 1億円稼いだ人
B. 1億1千万円稼いだ人
ほとんどの人は「B」と答えると思います。
でも、ここにもう一つの選択肢
C. この条件だけでは判断できない
というのがあったなら、「C」と答える人がかなり増えると思います。
実際そのとおりで、単に金額だけでどちらが優秀かは見極められません。
たとえば、実態としては「1年間で1億円稼いだ人」と「10年間で1億1千万円稼いだ人」かもしれません。
そうなると、当初「B」を選んだ人も「A」のほうを選び直すと思います。
ところが、さらにここに隠された条件があって、実は
A. 1年間365日休まず働いて1億円稼いだ人
B. 10年間のうち毎年1週間だけ働いて1億1千万円稼いだ人
だとすれば、「A」を選び直した人の多くは再び「B」を選び直すと思います。
このように表面的なことだけでどちらが優れているかを判断するのはキケンです。
前提となっている諸条件を同一にしたうえで判断することが重要です。
・・・・・・・・・・・・
海外で活躍するスポーツ選手などが日本人として新記録を打ち立てた!・・・といったニュースが時おり報道されます。
日本人サッカープレーヤーとして初の〇本のシュートを決めた・・・野球選手として初の〇本のヒットを打った/三振を取った・・・などといった類です。
もちろん、それらは「絶対的評価」としてはすばらしいものであり、記録を打ちたてたことについては称賛されておかしくないことです。
報道等で気をつけるべき点は、この後に続く言葉、「これまでの△△選手の▼の記録を超えた」・・・といった比較話です。
何度も言いますが、新記録自体はすばらしいことなのですが、他者との比較になると、そこで重要になるのはやはり「前提となる諸条件の同一性」です。
もしかしたら、ある選手は1年で▼という記録だったのを、今の選手は10年かけて〇という新記録を打ち立てたのかもしれません。
その場合、どちらが優れているかといったことを単に「表面的な絶対数字」だけ比較・論じることには無理があります。
30歳で海外チームに移籍して1年で打ち立てた実績と、20歳で海外チームに移籍して10年かけて打ち立てた実績とを「単純な記録数字だけで比較すること」は視聴者を誤解させます。
変な意図はないと思いますが、うがった見方をすればある方向へ誘導しようとするウラがあると勘繰られてもおかしくありません。
何度も言いますが、「絶対的数字/新記録」自体は立派です。
でも、それを他者と単純比較してこっちのほうが優れている、と結論付けようとすることがいけない・・・ということです。
マスコミや報道されることの中にはこうしたことに類することがあちらこちらにバラまかれているので、そんな誘導に引っ掛からず物事を適切に判断する目を持つことが大事です。
ビジネスや交渉事の世界ではそうした「目」や「判断力」は本当に重要です。
極論を言うと、そうした目/判断力を持つことが詐欺話に引っ掛かりにくくすることの一助にもなると思います。