
税金と社会保険料は、言葉上では異なるものですが、サラリーマンにとってはどちらも同じようなものです。
毎月の給料から源泉徴収され、自分の手元には入ってこないお金ですから・・・。
呼び名が違うのは、所轄官庁が違うから・・・というだけのことです。
領域で区分すると、以下の通りになります。
〇税金 ・・・・・・ 財務省
〇社会保険料 ・・・・・・ 厚労省
ここにあるのは(一般的によく言われるのは)、「財務省 対 厚労省の対立構図」・・・です。
庶民からすれば「税金と社会保険料の一本化」が望ましいと思えるのですが、官僚のプライドや諸事情によってそれが遮られているようです。
複雑化する税制や社会保険制度の中で、部分最適のこだわりはもはや時代遅れでもっと全体最適に目を向けるべきだと思いますが、実際の道のりはまだ遠そうです。
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戦後の復興予算を一手に握っていた大蔵省(現・財務省)は中央官庁のトップに常に君臨してきました。
税金をすべて自分のところに集め、他の省庁たちに対しては自分たちに頭を下げたところを優遇した予算配分をする(頭を下げないところの予算請求は却下する)・・・という「予算権を元にした支配」を陰で行なってきた・・・と。
財務省は戦後、税金を源泉として巨大権力を有してきたわけです。
厚労省管轄の福祉関連はいつも公共事業のの後回しにされ、自分たちの言うことが通らない・・・厚労省はそれが面白くなかった。
そこで、自分たちで財源を確保しよう!と、厚労省は「社会保険制度」に活路を見い出し、1961年の医療保険・国民年金、2000年の介護保険といった保険制度を作ってきたようです。
社会保険制度は財務省とは直接の関係が無いため、厚労省は一般的な予算とは別のポケットで自分たちだけのお金を集めることができるようになりました。
財務省は自分たちの手元のお金を増やそうと増税する・・・厚労省は財務省に負けじと同じく自分たちの手元のお金を増やそうと社会保険料を値上げしていく・・・。
そんな構図が見え隠れしてきます(割を食うのは善良な国民だけ・・・)。
今も現在進行形で増税と社会保険料アップが続いています。
実にくだらない権力闘争であり、それに巻き込まれている国民は可哀そうです。
本質的に何が必要で、何が大事なのか?といったことを真剣に考え、国民にとって有益となる(省庁にとって有益ではなく)ことを考えるべきだと思いますが、人は権力と慣習から抜け出すことが苦手な生き物です。
管轄担当を分けて権力闘争を煽るのではなく、権力云々は横において国民に目を向けた一流の官僚・省庁であってもらいたいものですね。